ストレングスとは

リハビリテーションの啓発

ストレングス(Strength)とは、「強さ・強み」、「能力」と一般的に表現されます。

運動の分野では、筋力、パワー、筋持久力だけではなく、スピードやバランス、コーディネーション等の筋機能が関わる体力要素に不可欠な能力のことを表わし、状況に応じて適切に筋活動をコントロールするための「神経-筋系全体の能力」のことです。

福祉の分野では、援助を受ける利用者自身が持つ心理的な意欲や積極性、または身体面の治癒力や残存機能、社会資源などの環境要因の能力や強さを意味します。

さらに、「できないことに」(医学モデル)に着目するのではなく、「できること」(ストレングスモデル)に着目し、「できないこと」をサポートするのではなく「できること」をサポートしていこうとする考え方です。

つまり、「右腕を切断した方」が「右腕を治す」、「右腕がないから何もできない」ということに着目するのではなく、「左腕がある」、「補助具を使用すればできることがある」ということに着目していきます。

ストレングスモデルを提唱したチャールズ・ラップは次のように説明しています。

①障害者は回復し、生活を改善して質を高めることができる

②焦点は病理ではなく個人の強みである

③地域は資源のオアシスである

④利用者は支援プロセスの監督者である

⑤相談援助者と利用者の関係が根本であり本質である

⑥相談援助者の仕事の場所は地域である

このようにストレングスとは個人の能力だけではなく、地域などの環境も「ストレングス」として考えます。

簡単にいえば、家族と暮らしている、友人がいる、支援してくれる場所がたくさんあるなどが環境のストレングスということにになります。

個人のストレングスとは、真面目、運動が好き、本を読むのが好き、きれい好きなどの心理的な要因もストレングスになります。

また、「医学モデル」では障害や病気を「治してもらう」という考え方であったものが、「ストレングスモデル」では「自ら考え、自ら決定していく」という考え方になり、支援を決めるのは援助者ではなく利用者自身であるということになります。

利用者が支援者にしてもらうのではなく、利用者自身が支援者を利用していくことが大切になります

そのためにはまず、多様なサービスを受けられる場所(環境)が必要であり、ストレングスモデルを利用者にも支援者にも理解してもらうこと(個人)が必要になります。

いくつになってもどんな障害を抱えても障害を抱えていなくとも、その方自身が自分の生きたい生き方をしていける自分らしく生活できるそんな思いを表しています。

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