自宅で出来る下肢の筋力運動の代表としてスクワットがあります。
しかし、スクワットはやり方を間違えれば、膝や腰に痛みがある方には疼痛を増強してしまう恐れがあります。
私がここで紹介する運動は、膝や腰に痛みを抱えていても無理なく筋力を増強できる運動です。
それは、私がこのブログにて紹介しているDirectionアプローチに基づいて考えられた運動です。
また、筋力は筋の断面積と相関関係があり、筋の断面積を効率よく増大させる運動である等張性収縮を用いた運動になります。
そして、下肢筋力の中でも膝関節の伸展筋力を特にトレーニングできる運動です。
方法
①5㎝程度の段差を用意
敷居などがある方は敷居を利用すると良いかと思います。
敷居のない方は雑誌などを重ねて高さを調整して下さい。
②段差の上に踵だけを乗せて立ちます。
踵だけを乗せるのが難しい方は足部のつま先半分を段差から出すぐらいでも大丈夫です。
さらにバランスが取れなくて立っていられない方は、壁や背もたれのある椅子などを用意して掴まって立って下さい。
③へそを少し前に突き出す(A)イメージでそのまま2分程度立っています。
つま先を地面につけないようにして立ちます。
腰を反らないように注意して下さい。
時間はあくまで目安です。無理のない範囲で時間を延ばしていって下さい。
Directionアプローチ的視点
どうしてただ立っているだけで膝関節の伸展筋力の訓練が出来るか説明したいと思います。
つま先が段差より外にでていることでつま先には支持しているものがなくなり、重心はつま先の側(前方)へ移動します。
そのため、重心を踵の方(後方)へ移動させようと、足関節の背屈(B)でバランスを取ります。
足関節が背屈すると、腓腹筋が伸張され膝関節は伸展(C)しようとします。
足関節が背屈し膝関節が伸展することで今度は逆に後ろ側へ倒れるように重心が移動します。
その後方へ移動しようとした重心を今度は前方へ移動させて立位を保持しようとするため、股関節の伸展が起こります。
つまり、膝関節の伸展と股関節の伸展は関係性があり、膝関節の伸展と股関節の伸展を同時にトレーニングすることが可能で
あり、重要になります。
スクワット運動は股関節や膝関節を屈曲させて行い、重心を上下に移動させることでトレーニングを行うため、関節に負荷の
かかる運動になります。
しかし、私が考えたこの運動は重心移動もなく関節の動きもほぼなく行うことができ、しかも筋の断面積を効率よく増大させ
るために必要な等張性運動になります。
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