膝の痛みに対するDirectionアプローチ①

リハビリ専門

膝関節の痛みの原因について考えるとき大切なのは、股関節の方向を捉えることです。
図を見ていただくと理解しやすいかと思います。

股関節 膝関節 関係

A:股関節の屈曲
B:膝関節の生理的な屈曲

股関節 膝関節 関係 原因 痛み

A:股関節の屈曲制限
B:膝関節の屈曲による代償

背臥位にて股関節を屈曲すると自然に下肢の重みとハムストリングスの牽引にて膝は屈曲します。
つまり、股関節の方向が膝関節の方向を規定します。

膝関節の屈曲の角度が浅ければ(関節可動域に制限がある方)、股関節をより曲げることで膝関節の屈曲角度を補うこと(代償)になります。
逆に、股関節の屈曲角度に制限がある方は、膝関節をより曲げることでその機能を代償します。
その膝関節をより曲げる方向に力が働くこと疼痛の原因になります。

よって、特に膝関節を屈曲した時に痛みが強く生じる方は、股関節の屈曲方向への機能を改善することで、膝関節の痛みをコントロールすることができます。

膝関節が伸展した時に痛みが強く生じる場合は、逆のことを考えれば良いです。
ただ実際にはそこに荷重という要素が加わりますので、別にご紹介致します。

膝関節の屈曲に疼痛や可動域制限に問題がある方は、股関節の屈曲角度や筋力を改善することで股関節の運動方向を修正し、痛みのコントロールを行います。
具体的には、Directionアプローチの運動で紹介している、股関節の屈曲・伸展運動股関節の外旋・内旋運動を行います。
膝関節の伸展に問題がある方は、股関節の伸展方向についてリハビリを行います。
具体的には、股関節の外旋・内旋運動股関節の外転・内転運動を行います。(Directionアプローチで行う運動

リハビリ室で行う際は、平行棒内にて前後歩きをすることで、より動作に即した運動を追加します。
ご自宅で行う場合は、背もたれのある椅子などに捕まって、前後に足を踏みだす運動で十分です。
左足を前に出したら、右足を揃える。
右足を後ろに出したら、左足を揃える。
その逆も同じように行います。

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