温熱療法と寒冷療法の効果と禁忌、方法について簡単に紹介します。
もっと詳しく知りたい方は成書にてご確認ください。
温熱療法の効果
- 皮膚の血管拡張
- 局所の新陳代謝促進
- 心拍出量と心拍数の増加
- 血圧降下
- 体液の貯留など
十分な循環反応を引き起こすためには40℃以下でも可能とされています。
温度による効果の違いについてはあまりエビデンスは確率されていません。
温熱療法の禁忌
- 急性症状(炎症症状)があるとき
- 感覚の鈍麻、脱失がある(原則として禁忌、注意して行えば可能)
- 循環障害
- 出血傾向のある疾患
- 自律神経疾患
- 悪性腫瘍、結核の患部
- 皮膚疾患、感染症
寒冷療法の効果
- 局所の新陳代謝の低下
- 毛細血管の透過性減少
- 一次的な血管収縮と二次的な血管拡張
- 疼痛受容器に対する麻痺作用
- 筋紡錘活動の低下
寒冷療法の禁忌
- 心臓および呼吸器疾患のある対象者に対して広範囲の寒冷
- 心臓の周囲および胸部
- 末梢循環障害(凍傷、レイノー病など)
- 感覚が鈍麻、脱失している場合
- 寒冷過敏症
- 寒冷に拒否的な場合
心理的に冷やすと痛みが増強するのではないかと不安に思う方もいるため、オリエンテーションが大切です。
強い寒冷刺激を与えた場合、数分後には我慢しがたい痛みを感じることがあるため、その後に感覚の麻痺がおこり痛みがなくなることを説明し理解を得ることが大切です。
温熱・寒冷療法の方法
温熱療法で一般的なホットパックは、表在に温熱を加えるものであり、その効果は皮膚表面から1㎝以内とされています。そのため、深部組織への直接加温は困難になります。
深部への直接的な加温には、超音波などの特殊な機械が必要になります。
一方、寒冷療法は特殊な機械を用いなくても、皮下4㎝の深部組織まで冷却可能であり、深部組織への直接的な効果を得ることができます。
寒冷療法の効果を得るには、最低5分以上、軽く皮膚が麻痺する程度におよそ10分~20分冷却が必要とされています。
運動療法を併用する場合、関節拘縮を認める場合は、温熱療法の効果が一番期待できるため(コラーゲン繊維の伸張性増加)、温熱療法はリハビリ前に行うことが多く、痛みを取り除く=温めるという認識が広まっている一因かと思います。
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