痛みがある時は温めた方が良いですか?
痛みのある患者さんから良く聞かれることの一つです。
答えは温めません。
なぜなら、その質問をされたとき、私はいつも患者さんにお聞きします。
「頭が痛いときはどうしますか?」と…
みなさんはどうしますか?
今のところ、「温めます」という人は一人もいません。頭が痛いときはみなさん冷やします。
なぜ同じように痛みがあるのに温めないのでしょうか?
実は痛みには温めてはいけない状態というものがあります。
しかし、冷やしてはいけないという状態というものはほとんどありません(温熱療法と寒冷療法)
では、なぜ痛みがあるときは温めると皆さんが思っているのでしょうか?
答えは簡単です。心理的な問題です。温めたら気持ちが良いと感じるからです。
また残念なことに、冷やして痛みをとるという認識がない、あるいは方法を知らない、冷やすことによる効果(エビデンス)を知らない理学療法士が多いことも理由にあります。
そのため、リハビリテーションを受けても、冷やすという経験をされる方が少なく、一般的に認知される機会が圧倒的に少ないです。
恥ずかしい話ですが、物理療法といわれるものに対して、理学療法士は専門家であるはずなのにかなり理解が浅いです。
さらに、過去のリハビリテーションがおかれてきた環境にもその要因があり、今までのリハビリテーションの歴史は、柔道整復師などの資格を有した方たちが築いてきたものだからです。
みなさんが持っているリハビリテーションの情報の多くは、整骨院などから得ているものがとても多いいです。
それでは、実際にどう冷やせば良いか。
難しく考えず、食品などについてくる保冷剤を活用すれば簡単です。
保冷用に付いてくる保冷剤の効果はおよそ15分です。(温熱療法と寒冷療法)
より冷却効果を求めるためには他に方法がありますが、ご家庭で行うにはそれで十分かと思います。
冷やすのが足りないかなと思えば、もうひ一つ保冷剤を使用して冷やせば良いです。
保冷剤がない場合は、氷一粒が溶けるまで患部をマッサージをするように冷やしてあげれば良いです。冷やすのが足りないなと感じるようでしたら、もう一粒使用して下さい。
自宅で冷やすことは、実は温めるより簡単で長く行えます。
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