前回は、スモールステップの法則をリハビリテーションへ応用する手段を、階段昇降を例に紹介致しました。
今回はもう少し踏み込んで起き上がりについてスモールステップの法則を用いて紹介をしたいと思います。
起き上がりができるようになるまでのステップを、階段のステップと同じように分けてみると以下のようになります。
- 仰向けから寝返りをして横に向く
- ベッドを押して体を起こす
- 足をベッドから降ろす
- ベッドの上に座る
さらに一つ一つのステップを小さくしていきます。
仰向けから寝返りをして横を向く
- 顔を横に向ける
- 先に上半身あるいは下半身を起きる方向へひねる
先にというのは、人によって上半身からひねる人と下半身からひねる人に分けることができます。
細かく言えば、ひねり方も人によって違いがあり、人それぞれ癖があります。
ですから、こちら側から指定しても良いかと思います。 - 続いて下半身あるいは上半身を同じ方向へひねる(上半身と下半身を同時にひねる場合もあります)
- 側臥位の姿勢をとる
ベッドを押して体を起こす
- 頭をベッドから離すため、首を起きる方向へ側屈する
- 側臥位から起こしたい方向へ体を側屈する
- 肩をベッド面から離す(OnElbowになる)/肘をついた姿勢になる
ベッドから足を降ろす
- OnElbowの状態から股関節を曲げてベッド面より外に出す
- さらに起きる方向へ体を側屈する
- 肘を伸ばしてベッド面に手をつく/OnElbowからOnHandになる
ベッドの上に座る
- 臀部を前方にずらす
- 足部を床につける
少なくともこれだけのステップに分けることが可能です。
そして、このステップ一つ一つにリハビリテーションのプログラムを立案していきます。
では、具体的にどんなリハビリテーションを行えばいいか。
体を一つ一つ動かすことに必要なことは何か。
筋肉です。
一にも二にも筋肉が収縮しなければ体を動かすことはできません。
先に挙げたステップ一つ一つにどんな筋肉が必要なのか考え、一つ一つの筋肉を鍛えることです。
そして、鍛えた筋肉を今度は動作へとつなげていく。
動作とは一つ一つの筋肉を複合的に動かしていくことです。
複合的に動かすことができなければ、動作をうまく行うことはできません。
ですから、私のリハビリは初めに関節可動域訓練で、関節をほぐします。
次に筋力トレーニングをします。
そして最後に、姿勢保持や動作訓練を行います。
この流れがリハビリテーションの基本になっています。
具体的な内容は私が掲げているDirectionアプローチを行って頂ければ、多くの動作に対応していますので確認して頂ければと思います。Directionアプローチで行う運動
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