湿布はどこに貼れば良いの?

リハビリ一般

「痛い所に貼れば良いんでしょ」「誰でも解る」
本当にそうなのでしょうか。
「湿布は痛い場所に貼ればいい」と本当に言い切れるのでしょうか。

痛みの性質によっては必ずしも痛みのある場所が正確に見つかるとは限りません。
何となくこの辺がという曖昧な感じで貼ることはないでしょうか。
貼って見たけど、何だか効いているのか効いていないのか良くわからない。
貼ったけど何となく痛い場所と違う。
そんな経験をされたことはないでしょうか。

打撲によって内出血をした場所に痛みがあるのであれば、内出血の痕があるかもしれません。
そのため、痛みの部位を特定することは容易です。
よって、内出血部位に湿布を貼れば良いのではと誰でも解ります。

ですが、高齢者の多くが抱えている痛みは慢性的な痛みであり、その痛みの部位も漠然としています。
そのため、痛みをどこで感じているのか正確に伝えられなかったり、痛みを感じている部位が必ずしも痛みの根源ではないということがあります。

痛みにはそれぞれ必ず原因があります。
原因に沿った部位に湿布を貼付できなければ、効率よく痛みを取り除くことができません。

理学療法士は患者さんの痛みの原因を正確に把握しないと、原因に沿ったリハビリを行うことは困難ですので、当然患者さんが抱えている痛みの原因を把握しているため、湿布薬の貼る場所を指示することは可能です。

痛みの原因が筋肉の損傷によるものであれば、筋肉の損傷部位に貼れば良いでしょう。
例えば、上腕二頭筋の筋腹が痛むのであれば、その部位に貼れば良いでしょう。
筋肉の起始停止部位に痛みがあるのであれば、その部位に貼るのが良いでしょう。
理学療法士であれば、きちんと触診する技術があれば、より正確に痛みの部位を教えることができます。

痛みの原因が関節構造に起因するものであれば、関節構造の痛みの部位に貼れば良いでしょう。
関節構造というのは、靭帯や関節包、関節軟骨などであり、筋肉同様、触診の技術があればおおよそ関節構造の中の何に痛みが生じているのか把握できます。

筋肉や関節の痛みは比較的痛みの部位の特定は容易ですが、神経に伴う痛みは別です。
痛みの性質が判別しにくいからです。
鋭く限局的に痛みがある場合もあれば、重たい、だるいなど場所が全体的に感じる場合があるからです。

では、神経が原因による痛みに対しては、どこに湿布を貼るのがいいでしょうか。

神経皮枝に貼ります。(神経皮枝について

神経痛は複数の箇所に痛みが生じていいる場合が多いので、痛みのある部位の近接した神経皮枝に複数貼ることを勧めています。
湿布薬によっては、一度に貼れる枚数が決められているものもあります。
その場合は、湿布薬を半分にすることで複数貼ることが可能です。
たかが湿布薬と思わず、用法、用量は守った方が良いです。
とにかくあちこち痛いからと全身に湿布薬を添付された患者さんがいます。
その方は中毒症状を起こしていましたので、注意しましょう。

神経皮枝にうまく貼れれば、患者さんによっては「湿布薬が効きすぎて痛くて剝がしてしまった」というぐらい効果が違います。
一度貼っても効果が感じられない場合は、場所を少しずらして貼ってみてください。
必ず効果が実感できる場所があります。
ただし、一度効果を感じられた場所が引き続き効果がある場所とは限りません。
なぜなら、その場所の痛みは無くなったからです。
でも痛い。それぐらい、神経痛というのはやっかいです。

神経痛に一番効果が期待できるのは、干渉波といわれる電気治療です。
なぜか、神経の痛みを脳に伝えているのは電気信号だからです。
干渉波治療も湿布薬同様、きちんと効果がでるやり方があります。

違いは、目的を持ってきちんと行うか行わないかです。(Directionアプローチとは
でも多くの理学療法士は知りません。
いずれ別の項でお話できればと思います。

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