Directionアプローチとは

リハビリ専門

Directionアプローチ(方向学的アプローチ)とは、私が患者さんへリハビリを行う際に行っている方法で、細かな技術や知識がなくても簡単に行えるアプローチです。

物体が動くためには必ず向き(方向:Directionがあります。
その向きが間違った方向に向いていれば、物体が正しい方向に動くことはできません。
ただ、身体は間違った方向に動きが向いていたとしても、その向きを他の向きで補うことで修正して動くことができます。
しかし、高齢になっていくと、その向きを補うことができなくなっていきます。
その結果、起きたり、立ち上がったり、歩いたりすることが難しくなります。
また、間違った方向の動きを補っていたことで、痛みが生じてしまう方もいます。

その運動の向きを効率の良い方向に変えていくことで、動けなくなってしまった方は動けるように、痛みがある方は痛みを取り除くことができます。
それがこのDirectionアプローチの目的です。

では、人の身体に方向を生み出しているものは何か。それは筋肉です。
向きは筋肉に沿って生まれ、その筋肉が骨を動かすことで動きが生まれます。
筋肉が正しい動き方をしなければ、正しい向きに運動は行えません。
そのため、運動の向きを観察することで、ただしく筋肉が使われているか知ることができます。

このDirectionアプローチを行う上で大切な技術は観察と触診です。
方向を観察し、人の身体を触診する。


何だか難しいように思われるかもしれませんが、基本は「目的を持って観察をする」「目的を持って触る」、それだけです。

このアプローチに限った事ではありませんが、自分の行うリハビリに目的を持つということは、患者さんとの何気ない会話にですら意味を持たせるということです。
その「目的を持って観察をする」一つの方法が、Directionアプローチであり、具体的な観察の仕方を紹介していくことで、その意味を理解して頂けるのではないかと思います。

理学療法士の世界では動作分析などという方もいるかもしれませんが、動作分析というよりはあくまで観察です。方向を見てください。分析する必要はありません。

Directionアプローチは幅のあるもので、これがすべてということはありません。
有名なボバースアプローチみたなものですかね。
なぜなら、観察する視点は一つではないからです。
視点は、その人の知識や経験、考え方でさまざまに変化します。
ですから、ここでの捉え方を参考に、自分の知識や経験で色々な自分だけのDirectionアプローチ
を見つけて下さい。
その際、複雑に捉えようとすると見えるものも見えなくなりますので、できるだけシンプルに観察するように心がけて下さい。
考えずに見るだけです。

患者さんの貴重な時間を無駄にせず、患者さんに関わるすべての時間をリハビリテーションに役立てて頂ければと思います。


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