膝関節の痛みに対してDirectionアプローチで捉えたとき、考えるべき方向の二つ目は、回旋の方向になります。
膝関節へ荷重がかかることで痛みがでる場合、観察するべきポイントがこの回旋の動きになります。
痛みのある方の回旋方向は大腿と下腿の回旋方向が同じになります。
特に膝関節の内側に痛みがある場合は図のように大腿と下腿が外旋し、膝関節へ外側の方向を生み出し、結果として内側変形を助長します。
歩行観察では特に、外側スラストなどと名前がつく病態です。
膝関節の異常な回旋
膝関節が伸展した場合、荷重がかかった場合(a)
大腿は外旋(B)し下腿も外旋(C)します。
膝関節に外側(A)の方向を生み出し、膝関節の内側に痛みが生じます。
膝関節の正常な回旋
荷重がかかた場合、膝関節が伸展した場合(a)
大腿は内旋(B)し、下腿が外旋(C)します。
膝関節に内側への方向(A)が生じ、膝関節が安定します。
膝関節の伸展時に起きる回旋運動として有名なものとして、スクリューホームムーブメントと言うものがあります。
膝関節が最終伸展する際に、下腿が外旋するという運動のことです。
そのスクリューホームムーブメントには内側広筋の出力が大切と捉えられていますが、方向学的に捉えると大腿の内外旋の方向が重要になります。
大腿の内外旋の動きがあるから、下腿の内外旋の動きが生まれます。
大腿の内外旋の動きに必要な筋力は、股関節の内外旋の筋力になります。
そのため、股関節の内外旋の運動を行いますが、大切なのはやはり方向になります。(Directionアプローチで行う運動)
膝関節の伸展を誘導するためには、膝関節を伸展させた位置で股関節(大腿)を内旋させます。
逆に、膝関節の屈曲を誘導するためには、膝関節を屈曲した位置で股関節(大腿)を外旋させることが大切になります。
より方向を重要視した場合は肢位にも気を付けて行いましょう。
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